中野信治氏がハミルトンのVSC中の判断を分析 マクラーレンのスプリント接触にも言及
2026年のF1第17戦シンガポールGPの決勝で、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)がバーチャルセーフティカー(VSC)中にタイヤ交換をせず6位に終わった判断について、元F1ドライバーの中野信治氏がAUTOSPORT webで分析した。あわせて、スプリントで起きたマクラーレンのチームメイト同士の接触にも触れている。
レースはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2戦連続のポール・トゥ・ウインで制し、今季2勝目、通算73勝目を挙げた。中野氏はホンダ/HRCの若手育成に携わる立場から、ドライバーの心理と、チームが同士討ちを避けるべき理由を語っている。
ミディアム発進のハミルトンが迎えた分かれ目
中野氏によると、ハミルトンは予選でQ1・Q2をトップで通過し、Q3を経て3番グリッドから決勝に臨んだ。上位勢で唯一ミディアムタイヤを選び、2番グリッドのシャルル・ルクレールはソフトを履いた。序盤はソフトのペースが良く、ハミルトンは18周目にソフトへ交換している。
そこでVSCが導入された。チームはハミルトンとルクレールの両方にタイヤ交換を呼びかけたが、ハミルトンはコースに残った。AUTOSPORT.comによると、VSCは39周目、ランス・ストロールの車両が止まったことで出され、ハミルトンはそれまでソフトで21周を走っていた。交換に入ったルクレールがハミルトンの前に出て、ハミルトンは終盤にタイヤのデグラデーション(性能低下)に苦しんだ。
AUTOSPORT.comは、フレデリック・バスール代表が「ピットに入る指示だったが、ルイスはコースに残ることを選んだ」「全体としてミスだった」と述べたと伝えている。ハミルトン自身も無線で「その戦略で皆を失望させた。僕の判断で、貴重なポイントを失った」と謝罪した。なお、他の報道には、ピット入口を逃したと書くものもある。
交換していても表彰台は確実でなかったという見方
中野氏は、VSC中に交換していたとしても3位表彰台が確実だったとは言えないと見る。決勝3位に入ったキミ・アントネッリ(メルセデス)のペースが良かったためだ。アントネッリが新型パッケージ、ジョージ・ラッセルが旧型パッケージで走っており、その差は現時点では外からは判断しにくいとも述べている。
スプリントでラッセルは序盤に首位へ浮上したが、ターン19でスピンしてピットウォールに接触している。
マクラーレンのスプリント接触とチームの立場
スプリント最終ラップは、3位ルクレール、4位オスカー・ピアストリ、5位ランド・ノリス、6位アントネッリの順だった。ターン5でノリスがピアストリのインに飛び込んで接触し、ピアストリはウォールに当たって止まった(完走扱い)。ノリスはスピンして8位まで後退した。
中野氏は、ノリスのインへの飛び込みはミスジャッジだったとしつつ、ピアストリの大外からの進入も楽観的だったと分析した。ドライバーを責めにくい一方、チーム監督の立場ではチームメイトとの接触は許されないとしている。
ポイント争いの現在地
記事に示された第17戦終了時点の順位は次のとおり。
| ドライバー | ポイント |
|---|---|
| アントネッリ | 340 |
| ラッセル | 238 |
| ハミルトン | 229 |
| フェルスタッペン | 221 |
| ルクレール | 215 |
コンストラクターズはメルセデス578、フェラーリ444、マクラーレン339、レッドブル332、レーシングブルズ100。ハミルトンとフェルスタッペンの差は8ポイントで、3位争いの焦点は、フェラーリが内部の判断をどう整理して次戦に臨むかに移る。
詳しくは元記事をご確認ください。
出典:AUTOSPORT web 2026-10-19 中野信治のF1分析(シンガポールGP)
参考:AUTOSPORT.com(英国・英語) 2026-10-11 Lewis Hamilton takes blame for poor Singapore GP strategy