メキシコシティGP予選、ハミルトンがフェラーリ移籍後初のポール。平川亮は初予選18位
2026年F1第19戦メキシコシティGPの予選が、現地時間10月31日にアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで行われた。ルイス・ハミルトン(フェラーリ)が1分16秒514を記録し、移籍後初のポールポジションを獲得。2番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)との差はわずか0.009秒だった。
ハミルトンのポールは2023年ハンガリーGP以来で、通算105回目となる。この日の朝には、ハースがエステバン・オコンに代えてリザーブの平川亮を起用すると発表した。平川は招集から約12時間で初の予選に臨み、Q1で姿を消した。予選後にリアム・ローソン(レーシングブルズ)が失格となったため、公式順位は18位となっている。
平川亮、招集から12時間で臨んだ初予選
TopNewsによると、TGRハースF1チームは31日、メキシコシティGPの残りの日程を平川が走ると発表した。平川はトヨタでWEC(世界耐久選手権)を戦う32歳で、この週末は金曜日のフリー走行1回目(FP1)にも出走していた。
RaceFansによると、チームは交代の理由を明かさず、病気が理由ではないとだけ説明している。オコン本人の声明には「昨夜、見解の相違から関係者との話し合いになった」と、経緯に触れた一節がある。
formula1.comの取材で、平川は「今朝は本当に大きな驚きでしたが、僕はいつでもリザーブドライバーとしてここにいます」と心境を明かした。慌ただしい半日については「この12時間はあっという間で、準備することが山ほどありました」という。初予選は「今日は夢がかないました。今日が予選で、明日はレースです」と喜びを示した。
Q1の展開はTopNewsが詳しく伝えている。平川は新品ソフトでの最初のアタックで暫定4番手につけ、赤旗明けに自己ベストを更新して一時は8番手に浮上した。最後のアタックはセクター1と3で自己ベストを刻んだものの、ラップタイムは縮まらなかった。ベストは1分18秒958で、Q2進出ラインのカルロス・サインツ(ウイリアムズ)の1分18秒521には0.437秒届かなかった。
敗退の要因について、平川は「残念ながら最後のアタックラップでトラフィックに引っかかりました。マシンの調子が良かっただけに残念です」と話した(formula1.com)。データでは、平川は10周でソフト3セットを使った。同僚のオリバー・ベアマンのQ1タイム1分18秒083との差は0.875秒だった。
そのベアマンもQ2で15位に終わった。Q2の自己ベスト1分17秒847はターン12のトラックリミット違反で抹消となり、Q1と同じ1分18秒083が記録として残った。ベアマンは「FP3で起きたことを考えれば、正直、良いセッションだった」と話し、小松礼雄代表はこの日を「良い面と悪い面が入り混じった一日だった」と総括した。
ハースのグリッドは、ベアマンが14番手、平川が18番手。平川はトヨタでの耐久レースの経験を武器に、71周の決勝でF1デビューを迎える。ドライバーの交代から決勝まで2日足らずという状況で、まず完走して周回を重ねることが現実的な目標になるとみられる。
アストンマーティン・ホンダ、アロンソの停止で赤旗
Q1残り約11分、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)のマシンがスタジアムセクションで止まり、赤旗が出た。原因はmotorsport.comによればパワーユニット(PU)のトラブル、RaceFansによれば水圧の低下だ。TopNewsによると、チームからマシンを止めるよう指示されたアロンソは、無線で「なぜ止めないといけないんだ?」と抗議したという。
アロンソは最初のアタックで1分18秒908を記録しており、これがQ1の17位となった。データでは、走行はわずか4周だった。アロンソは「期待の持てる予選に見えていただけに、悔しい終わり方だった」と話している(formula1.com)。ターン14でマシンを止めた際の状況は安全面の違反と判断され、PlanetF1とRaceFansによると、スチュワードによる戒告処分となった。
チームメイトのランス・ストロールも1分19秒072で19位に終わった。ストロールは週末を通じてマシンバランスに苦しんでいるという。ホンダPUを積むアストンマーティンは2台ともQ1で敗退した。ただ、アロンソの最初のアタックはQ2進出ラインまで0.387秒差で、走り続けていれば突破できた可能性もあったとみられる。
0.009秒差を分けたQ3の最終アタック
ポール争いは最後のアタックで決まった。RaceFansによると、ルクレールが暫定ポールをとった後、ラッセルが2回目のアタックでそれを上回った。最後にコースに残ったハミルトンが、セクター1の速さを生かしてわずか0.009秒逆転した。上位10台の各ラウンドのタイムは次のとおり。
| 順位 | ドライバー | Q1 | Q2 | Q3 | Q2からQ3の短縮 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ハミルトン | 1:17.341 | 1:16.953 | 1:16.514 | 0.439秒 |
| 2 | ラッセル | 1:17.659 | 1:17.027 | 1:16.523 | 0.504秒 |
| 3 | ルクレール | 1:17.506 | 1:16.944 | 1:16.633 | 0.311秒 |
| 4 | フェルスタッペン | 1:17.942 | 1:16.876 | 1:16.692 | 0.184秒 |
| 5 | アントネッリ | 1:17.918 | 1:17.133 | 1:16.707 | 0.426秒 |
| 6 | ノリス | 1:17.733 | 1:16.728 | 1:16.824 | 0.096秒遅い |
| 7 | ハジャー | 1:17.385 | 1:17.047 | 1:16.900 | 0.147秒 |
| 8 | リンドブラッド | 1:18.210 | 1:17.135 | 1:17.117 | 0.018秒 |
| 9 | ガスリー | 1:18.194 | 1:17.278 | 1:17.153 | 0.125秒 |
| 失格 | ローソン | – | 1:17.207 | 1:17.029 | – |
ハミルトンはQ1で全体トップの1分17秒341を記録し、そのままセッションの基準を作った。Q2では最初のアタックを中止してやり直し、4番手で通過している。データでは、ターン13のトラックリミット違反で1分23秒081の周回が抹消されていた。
一方、ラッセルはQ2からQ3で0.504秒縮め、上位陣で最も大きくタイムを伸ばした。ラッセルは「楽なセッションではなかったけど、最後のラップには満足している」と話している。メルセデスは2台ともQ3で0.4秒以上短縮しており、Q3で一気にマシンの力を引き出したことがうかがえる。
対照的に、ルクレールの短縮幅は0.311秒にとどまった。Sky Sportsによると、最後のアタックをまとめきれなかったという。ただ、データの中で混雑のない周回の平均(avg_clean)を見ると、ルクレールは1分17秒093で全体最速だった。ハミルトンは1分17秒225、ラッセルは1分17秒269で、一発の速さではハミルトンが上回ったが、混雑のない周回の平均ではルクレールが最も速かった。
ポール獲得後の第一声は「ワオ!最高の気分だ」だった。そのうえで「昨日はエンジンの問題があって、後手に回っていた」と、苦しい週末だったことを明かしている。さらに「フェラーリでの初ポールだと思う。それに105回目……いい数字だね」と笑顔を見せた(formula1.com)。
41歳でのポールは、1982年イタリアGPのマリオ・アンドレッティ以来の最年長記録となる。この点について、ハミルトンは「意志あるところに道は開ける、ということだね」と応じた。Sky Sportsによると、無線では「本当に長かった」との一言もあった。
フェルスタッペンは2セクター終了時点で最速
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)は、Q3の最後のアタックで2セクター目までハミルトンを上回っていた。Sky Sportsによると、最終セクターでランド・ノリス(マクラーレン)の後ろに追いつき、ブレーキングの目印を失ってターン13でロックアップしたという。結果は0.178秒差の4位となった。
それでもフェルスタッペンは「全体として予選はとてもうまくいったと思う」と前向きに振り返った。データでは、走行は上位陣で最も少ない14周だった。Q2は1分16秒876の2番手で、マシンの速さは示している。ただ、金曜日のフリー走行でのローソンとの接触により1グリッド降格のペナルティを受けており、決勝は5番手からのスタートとなる。
チームメイトのイサック・ハジャーは、Q1でハミルトンに0.044秒差の2番手と好発進を切ったが、Q3はターン13でコースを外れて7位だった。motorsport.comによると、このコーナーが今週末のレッドブルの弱点だという。ハジャー自身も「今日は十分な仕事ができなかったと感じている。予選を通してどうしても噛み合わなかった」と認めた。
Q2の主役ノリスと、12位に沈んだピアストリ
Q2の最速はノリスの1分16秒728だった。このタイムはQ3でハミルトンが記録したポールタイムと0.214秒差で、ノリスもポール争いに加われる速さがあったとみられる。ノリスは「難しい午後だった。Q2のラップは信じられないほど力強かった」と語った。
ところがQ3では、1回目のアタックをまとめきれず、2回目も途中で断念した。RaceFansによると、周回の中盤でハジャーに追いついてタイムを失ったという。Q3のタイムは1分16秒824で、Q2より0.096秒遅く、上位10台でただ1人タイムを落としての6位となった。
さらに深刻だったのはオスカー・ピアストリだ。Q2で最初のアタックを中止した後、2回目は1分17秒646にとどまり、最終的な順位は12位、ノリスとの差は0.918秒だった。motorsport.comによると、エセス区間でリアのグリップを失い、約0.5秒を失ったという。ピアストリは「新品タイヤを履いた瞬間、マシンの挙動がまったく変わってしまった」と説明した(formula1.com)。
中団では、ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)がQ2を1分17秒306で終え、10番手のピエール・ガスリー(アルピーヌ)にわずか0.028秒届かなかった。ローソンの失格で公式順位は10位に繰り上がったが、Q3を走っていないため、10番グリッドからのスタートとなる。チームメイト同士の比較は、次のとおりだ。
| チーム | ドライバー(順位) | 比較ラウンド | 差 |
|---|---|---|---|
| フェラーリ | ハミルトン(1)対ルクレール(3) | Q3 | 0.119秒 |
| メルセデス | ラッセル(2)対アントネッリ(5) | Q3 | 0.184秒 |
| レッドブル | フェルスタッペン(4)対ハジャー(7) | Q3 | 0.208秒 |
| マクラーレン | ノリス(6)対ピアストリ(12) | Q2 | 0.918秒 |
| ハース | ベアマン(14)対平川(18) | Q1 | 0.875秒 |
| アストンマーティン | アロンソ(17)対ストロール(19) | Q1 | 0.164秒 |
マクラーレンとハースのチーム内の差が目立つ。ただ、ハースの場合は平川が招集から半日で予選に臨んだことを差し引いて見る必要がある。
ローソン失格でグリッドが再編
formula1.comによると、ローソンはQ2の最速ラップを終えてコントロールラインを越えた直後、すぐにアクセルを戻さなかった。そのため、MGU-K(運動エネルギー回生ユニット)の出力を規定どおりの割合で下げる「ステップダウン」が守られなかったという。
チームは違反を自ら申告し、パフォーマンス上の利益はなかったと主張した。それでもスチュワードは「パフォーマンス上の利益がなくても、技術規則への不適合は免除されない」とし、過去の判断に沿って失格を決めた。ローソンはQ3で8位に相当するタイムを出していたが、最後尾の22番手からのスタートとなる。
この裁定で、チームメイトのアービッド・リンドブラッドが8番手、ガスリーが9番手、ヒュルケンベルグが10番手に繰り上がった。The Raceによると、バルテリ・ボッタス(キャデラック)は新しいPU部品を投入したため50グリッド降格となり、21番手から決勝を迎える。
アントネッリの戴冠条件と決勝の焦点
選手権首位のアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は5位だった。フェルスタッペンの降格で、グリッドは4番手に繰り上がる。Sky Sportsによると、ラッセルかハミルトンが優勝した場合、アントネッリは9位以上で初の王座が決まる。2人のどちらも勝てなければ、自身の順位に関係なくタイトルが確定するという。
この条件の下で、ポールのハミルトンと2番手のラッセルは、決勝で勝つことが前提となる。アントネッリは予選について「コース上で十分な仕事ができず、自信も最大限ではなかったと感じている」と反省した。そのうえで「今週末はいつもより少し緊張していたのは確かだ。でも、明日はまだ懸かっているものがたくさんある」と語っている(formula1.com)。
予選の5位と4番グリッドは、戴冠に必要な9位まで5つ余裕のある位置だ。トップ5が0.193秒に収まる接戦ではあるが、アントネッリは無理にバトルをせず、上位を守る展開も選べる立場にある。ルクレールは「ここで3番手スタートなら悪くない。全力を尽くして、チームに何を持ち帰れるか見てみよう」と決勝を見据えた。
決勝は現地時間11月1日に71周で行われる。フロントロウのハミルトンとラッセルがスタートからどう主導権を争うか、そしてQ2で最速だったノリスが6番手からどこまで追い上げるかが焦点となる。平川にとっては、18番手から挑むF1決勝デビュー戦だ。
詳しくは元記事をご確認ください。
出典:Formula1.com(英国/英語) 2026-10-31 'Wow!' Hamilton reacts to 'special' maiden pole with Ferrari at Mexico City GP
出典:Formula1.com(英国/英語) 2026-11-01 What the teams said – Qualifying in Mexico City 2026
出典:Formula1.com(英国/英語) 2026-11-01 Liam Lawson disqualified from Mexico City Grand Prix Qualifying for technical breach
出典:Formula1.com(英国/英語) 2026-11-01 'I didn't do a good enough job' – Antonelli admits feeling more tense than usual in Mexico City Qualifying
出典:Formula1.com(英国/英語) 2026-10-31 'Dream come true' – Hirakawa details late Haas call-up for Mexico City GP ahead of F1 debut
出典:Motorsport.com(国際/英語) 2026-10-31 F1 Mexico GP: Lewis Hamilton beats George Russell and Charles Leclerc to pole
出典:Sky Sports(英国/英語) 2026-11-01 Mexico City GP Qualifying: Lewis Hamilton claims first pole position for Ferrari by edging out Mercedes' George Russell
出典:RaceFans(英国/英語) 2026-10-31 Hamilton claims first pole position for three years ahead of Russell in Mexico
出典:RaceFans(英国/英語) 2026-10-31 Ocon confirms "difference in viewpoints" led to shock exit from Haas
出典:TopNews 2026-11-01 【予選Q1タイム差】平川亮、初予選は19番手で敗退 アロンソは緊急停止指示に「なぜ?」赤旗中断/F1メキシコシティGP
出典:OpenF1(公開データ)(国際/英語) 2026-11-01 OpenF1 API (session data)
出典:Jolpica-F1(公開データ)(国際/英語) 2026-11-01 Jolpica-F1 API (results)
データ:OpenF1・Jolpica-F1(いずれも CC BY-NC-SA 4.0)、公式リザルトと各社の報道をもとにした、F1公式・FIA・各チームとは無関係の非公式の分析です。
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