ホンダの折原チーフエンジニア、2027年は2段階で改良投入と説明 開幕戦に「大きな一歩」、第8戦ごろにもう一段
ホンダのチーフエンジニアを務める折原伸太郎が、2027年シーズンのパワーユニット(PU)開発で、2段階の改良を投入する計画を明らかにした。英国のPlanetF1が2026年10月27日に伝えたもので、折原は米国GPが行われたオースティンで語ったという。
アストンマーティンは2026年からホンダと独占的なワークス供給契約を結んだが、今季はPUが弱点とされ、複数回のリタイアも喫している。折原は「トップの競合に追いつくには、いくつかの段階が必要だ」との認識を示した。開幕戦に向けた改良だけでは最上位に届かないため、シーズン途中にもう一段の大きな改良を入れる考えだ。
第1戦に最初の一歩、第8戦ごろにもう一歩
PlanetF1によると、折原は2027年の開幕時に「大きな一歩(big step)」を投入する。ただし、その改良を入れても最上位のPUには届かないため、「one more step」が必要だという。2段階目の大きな改良は、シーズン中盤の第8戦あたりを想定している。
ここでいう「第1戦」「第8戦」は、いずれも2027年シーズンのラウンドを指す。折原は2026年9月にも、スペインのMundo Deportivoの取材で、エンジン開発のロードマップに沿って「最初のレース」に向けて再び大きく前進すると語っていた。GPFansの報道によれば、その際、今季中にこれ以上の大きな改良は入らない見通しも示されていた。メルセデス、レッドブル、フェラーリとの差を初戦までに完全に埋められるかについては、慎重な姿勢のままだった。
弱点は内燃機関、2027年はさらに重要に
折原は、現状の弱点が内燃機関(ICE)にあると認めた。そのうえで、2027年はエンジン性能の重要度がさらに増すとの見方を示している。PlanetF1によれば、規定上の内燃機関と電動部分の比率は60対40の方向に向かい、電動要素の影響が縮小する。内燃機関の重要性は2027年と2028年にかけて特に強まる見通しだ。
開発面では、ホンダ、フェラーリ、アウディの3陣営が、追加の開発・アップグレード機会(ADUO)のトークンを2つ得ているという。基準となるレッドブル・パワートレインズに対し、内燃機関の出力差が4%以上あるためだ。ホンダの2段階の改良は、この枠組みの中で進められることになる。
今季のホンダは、AMR26へのPUの組み直しで初期の振動問題を解消し、出力向上にも取り組んでいる。オランダGPでは新仕様のPUを投入し、9位と今季最高位を記録した。一方、続くイタリアGPではモンツァの長い直線でパワー不足が露呈し、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールがともに序盤でリタイアとなった。
ニューウェイも「大きな期待」、長期目標は2027年末から2028年
PlanetF1によると、アストンマーティンのチーム代表エイドリアン・ニューウェイも2027年に2段階で改善する方針で、「大きな期待が持てる」との見込みを示した。ニューウェイは、レッドブルがホンダを採用した2019年の時点と比べ、現在のホンダの開発段階はやや遅れていると指摘している。ただし、ホンダのF1復帰は2015年で、2026年は新規定下での最初の年にあたる点も踏まえた評価だ。
折原は2026年8月、motorsport.com日本版の取材に対し、2027年末か2028年にはトップ争いに加われるようにしたいとの考えを明らかにしていた。スペインのMotorpasiónによると、2027年初めには最高のPUにはならないが、基準となるユニットには近づく見立てだ。来季の出力配分がわずかに変わっても、開発ロードマップは変えない方針という。
こうした発言を並べると、ホンダは2027年を「開幕時の一歩」と「第8戦ごろの二歩目」に分け、2027年末から2028年の目標に近づく設計とみられる。2027年は、開幕戦の改良がどこまで差を縮めるかが焦点となる。第8戦ごろに投入する2段階目の改良が、実戦でどんな効果を出すかも注目点だ。
詳しくは元記事をご確認ください。
出典:PlanetF1(英国・英語) 2026-10-27 Honda reveals development 'road map' amid Aston Martin deficit
参考:GPFans(英国・英語) 2026-09-08 Honda promise 'big step' for Aston Martin engine and it could be crucial to Fernando Alonso's F1 future
参考:motorsport.com 日本版(carview!配信) 2026-08-17 ホンダF1、PU性能改善の時期見通しを示す「2027年中か2028年にはトップの競争相手になりたい」
参考:Motorpasión(スペイン・スペイン語) 2026-08-17 Shintaro Orihara, ingeniero jefe de Honda en Fórmula 1: "Esperamos tener el mejor motor a finales de 2027 o en 2028"
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